
やせるカラダづくりに重要なタンパク質の摂取
健康維持はもちろんのこと、痩せやすい体を作るために「タンパク質」の摂取はとても重要です。
炭水化物、脂質、タンパク質、ミネラル、ビタミンは5大栄養素といわれ、人間が生きていくうえで特に大切なものです。
そして、これらの栄養素にはそれぞれの働きがあります。
炭水化物や脂質はエネルギー(力や熱)になり、タンパク質は筋肉や臓器、骨、歯、血液などのカラダを作る材料となります。ビタミン・ミネラルはエネルギーにはなりませんが、タンパク質、脂質、糖質の分解や合成を助ける働きを持ち、体の調子を整える役割を担います。
このように、タンパク質の摂取は筋肉を成長とカラダ全体の新陳代謝につながるため、結果として代謝が上がり、痩せやすい体質になるのです。
ただし、運動もせずにタンパク質を過剰に摂ることは、かえって太る原因になるので注意が必要です。
しっかりと運動をして、筋肉を刺激したうえでタンパク質を摂るのが、効率良いベストなタンパク質摂取のタイミングです。
タンパク質をとるときの注意点

タンパク質が多く含まれる食品は、
・肉類(牛、豚、馬、羊、鳥など)
・魚介類
・卵類
・大豆製品
・乳製品
などが挙げられます。
ただ、こうした食品をただ取れば良いというわけではなく、その内容も大切になってきます。
例えば、四足動物のタンパク質ばかりをとっていると、腸内細菌が悪玉に傾倒しやすくなり、腸内環境の悪化を招きます。
四足動物とは読んで字の如く、四足で歩く動物のこと。豚や牛や羊といった動物です。それ以外のタンパク質、例えば鳥肉、魚、卵、豆などは腸内細菌を悪玉にするようなことはありません。
だからといって四足動物のタンパク質が悪者というわけではなく、バランスよく食べることが大事です。
目安としては、四足動物とそれ以外を1:1として摂取すると良いでしょう。
今日四足動物のたんぱく質を食べたのなら、明日は魚や鳥、豆、卵などをメインにするといったように、交互に食べるようにするとバランスが保たれます。

魚など魚介類のタンパク質に含まれるオメガ3脂肪酸という成分は、体の炎症を抑えて細胞を柔らかくしてくれるので、体のパフォーマンスをあげることが期待できます。また、体の炎症を抑えるという面から、アトピー性皮膚炎の改善などにも効果があると言われています。
このオメガ3脂肪酸については、また別の機会にお話したいと思います。
タンパク質を効率的に摂るという意味ではプロテインも有効です。
世に出ているプロテインのほとんどが乳製品からできたホエイプロテインが主流です。また、乳製品が体に合わない方には、豆からできたソイプロテインなどもあります。
ただし、これらのプロテインには、吸収を促すための糖分も多量に含まれているものが多いので、取り過ぎには注意が必要です。
筋トレをしっかりしている方などは別として、一般的な生活においては必要なタンパク質は食事から十分摂取可能ですので、あくまでプロテインはサプリメント(補助)として、足りない部分を補うという意味で利用するのが正解です。
朝のタンパク質摂取で質の高い睡眠を
肉や魚、卵、乳、豆といったタンパク質源には、トリプトファンというアミノ酸が含まれています。
このトリプトファンは、体内でセロトニンやメラトニンに変換され、体内時計を調整したり、ストレスを和らげるなどの働きがあります。

セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれる脳内ホルモンで、私たちの精神面や自律神経、睡眠などに関係する神経伝達物質です。
食べ物から摂取したトリプトファンは、日中は脳内でセロトニンに変化し、夜になると睡眠を促すメラトニンに変化します。そのため、朝にこうしたトリプトファンが含まれるタンパク質を継続して摂ることで睡眠の質が高まり、体内時計も調節されて目覚めの良い朝を迎えることができるようになります。
今回はカラダ作りはもちろんのこと、睡眠や健康なメンタル作りにも欠かせないタンパク質摂取の重要さについてお話しました。
正しい食生活も「習慣化」が大切です。正しい知識を持って、よい食生活を続けましょう。
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板倉直人
うぇる・なす共同代表
元キックボクシング日本チャンピオン
健康経営エキスパートアドバイザー、食育指導士 、ビューティ&ヘルシーフードアドバイザー
キックボクサー引退後は、プロアスリートとしての経験をベースに、多くの経営者・ビジネスマンなどに対して、健康になり仕事のパフォーマンスを高めるためのボディメイク、運動指導、食事指導を行っている。