Column コラム

2026.01.13

【健康経営施策】企業向けの健康セミナーの開催形式・テーマや選定ポイントは?

健康経営に取り組む企業で人気の施策の一つが、専門家講師による従業員向け健康セミナーです。従来の対面形式に加え、最近はオンラインでも実施可能なことから、拠点が複数ある企業などでも導入しやすく、地方に拠点をお持ちの企業でも専門家に依頼しやすくなっています。弊社でもお問い合せを一番多くいただくのが、この従業員向けの健康セミナーです。
ここでは、人気のテーマやセミナーの内容、ご検討いただくときのポイントなどをご紹介します。

この記事でお伝えすること(3行要約)

企業向け健康セミナーで得られるメリット

従業員の健康施策の中でも、多くの企業が健康セミナーを導入している理由は大きく以下のようなものがあります。

自分で行動できる従業員をつくる

従業員のウェルビーイング(心身の良好な状態)が向上することは、経営層や人事部門からの一方通行の取り組みだけでは決して実現できません。最終的には、従業員一人ひとりが自分の健康管理や生活習慣管理を意識し、自走できることでなし得るものです。

健康セミナー導入の最大のメリットは、従業員一人ひとりの健康意識の向上が期待できることです。専門家から食事や運動、メンタルヘルスに関する正しい知識を得ることで、従業員は自身の健康状態に関心を持つようになります。セミナーで学んだことをきっかけに、「食生活を見直そう」「少し運動してみよう」といった行動変容が生まれ、生活習慣の改善につながります。

日本人は、世界的に見てもヘルスリテラシーが低い国民(※1)として知られていますので、企業が情報を学べる環境を提供することは、健康意識が高い企業文化醸成にも寄与するはずです。

健康経営優良法人の認定取得への貢献

「健康経営優良法人」とは、特に優良な健康経営を実践している企業を経済産業省が認定する制度です。この認定を受けることで、企業のイメージアップや人材確保の優位性、金融機関からの融資優遇などのメリットが期待できます。

健康経営優良法人の認定は中小規模法人部門と大規模法人部門に分かれますが、いずれも認定項目のひとつとして、「ヘルスリテラシーの向上(管理職または従業員に対する教育機会の設定)」が設けられています。セミナーの開催は、健康経営への取り組みのひとつとして評価されます。

健康経営優良法人2026(大規模法人部門)認定要件より

全従業員に公平に機会提供しやすい

健康施策の導入に積極的な企業でも、業種業態によって、また施策の内容によってなかなか導入が難しいという言葉を多く耳にします。

  • ● 拠点が全国にあり、時間やコスト的に実施が難しい
  • ● 工場や店舗などの現場では交代・シフト勤務があるため、実施が難しい
  • ● 本社勤務者のみなら実施できるが、それだと全体に公平に行えないため難しい

このように、健康施策を導入しようと検討するときに、多くの担当者が直面するのが、場所と時間の問題かと思います。健康セミナーはオンライン開催が主流となっており、この問題が解決しやすくなっていることも多くの企業に導入されている理由です。

開催形式の種類(オンライン/対面/ワークショップ)と選び方

健康セミナーの開催形式はオンライン形式と対面形式がありますが、新型コロナ禍以降、TeamsやZoomといったオンライン会議システムの利用が当たり前になったことで、オンラインセミナーが増えています。

オンラインセミナーのメリットと注意点

PCやスマートフォンがあればどこからでも参加できる、現在主流の形式です。
場所を選ばず全国の支社や在宅勤務の従業員も同時に参加できること、会場や講師の交通費がかからず、コストが抑えられることがメリットです。録画をアーカイブ配信すれば、当日参加できなかった従業員も後から視聴できます。

コミュニケーションが一方通行になりがちなことがデメリットですが、弊社の講師は、セミナー内でチャットやリアクション機能を使って参加者の皆さんとコミュニケーションを取りながら進める工夫をしています。

対面セミナー(講師派遣)のメリットと注意点

講師を自社に招き、会議室などで実施する従来型の形式です。
同じ空間を共有することで、参加者の一体感が生まれ、また集中して話を聞きやすくなります。特に、実技や体験がしやすいストレッチや運動系のセミナーなどは、この対面型が適しています。

弊社の講師も全国への出張対応が可能ですが、講師の交通費や宿泊費などの実費をご負担いただくため、オンライン開催よりもコストがややかかることがデメリットと言えます。

研修・ワークショップ形式のメリットと注意点

講義だけでなく、グループディスカッションや実習などを取り入れた参加型の形式です。
参加者が主体的に考え、行動することで、知識の定着率が高まります。また、従業員同士のコミュニケーションを活性化させる効果も期待できるため、チームビルディングの一環としても有効です。
オンラインツールでもグループ分けができるため、対面型・オンライン型のどちらでも開催できます。

開催形式の比較一覧

オンラインセミナー対面セミナー(講師派遣)研修・ワークショップ形式
メリット・全国の支社や在宅勤務の従業員も同時に参加できる。
・会場や講師の交通費がかからず、コストが抑えられる。
・参加者の一体感が生まれ、集中しやすい。
・実技や体験が交じる運動系のセミナーに適している。
・グループディスカッションや実習などにより、参加効果が高まりやすい。
・従業員同士のコミュニケーション活性化も期待できる。
注意点・コミュニケーションが一方通行になりやすいため、工夫が必要・講師の交通費や会場費などでコストが上がりやすい。・1回あたりの所要時間が、講義型セミナーより長くなりやすい。

開催時間の目安

知識提供型のセミナーの場合、1回30〜60分(質疑応答含む)の時間枠が標準です。コミュニケーションを入れる工夫はしても、講師の話を聞くことが中心になるため、あまり長時間になると参加者の集中力が持たず、いいセミナーになりません。

一方、体験型や研修・ワークショップ形式の場合は、グループディスカッションや実習などを行うため、時間が短すぎると効果が得られにくくなります。内容にもよりますが、1回90分以上の時間が必要と考えるとよいでしょう。

失敗しない提供会社の選び方

セミナーの質は講師によって大きく左右されます。
有資格者など、テーマに合った高い専門性を持つ講師がいるかが選定のポイントと言われたりしますが、命や健康に関わる情報を提供するのですから専門性は前提条件であり、それに加えて、弊社では「分かりやすく伝える力(デリバリー力)」が重要と考えています。

私はもともと医療系企業で、患者さんやそのご家族を含む一般の方向けの広報(医療情報を知識のない方にお伝えする)の仕事をしていました。仕事柄、専門医の先生のセミナーを聞く機会も多くありましたが、そのときに感じたのは、どんなに専門性が高くとも、それを分かりやすく伝える力(デリバリー力)は別だということです。

健康セミナーも管理栄養士や保健師、看護師などの有資格者が行っていれば、専門性や知識面は十分だと思いますが、参加いただいた方の納得度を高め、行動変容まで持っていくためには、デリバリー力が必要です。
弊社では、各分野の高い専門性は当然のこととして、伝える力(デリバリー力)が高い方を厳選しています。


とはいえ、最初にこの「伝える力」がどの程度かを知ることは難しいので、その講師のリピート実績を確認するとよいと思います。伝える力が高くない場合は、一度は実施したとしても企業からリピートがあまり得られないはずです。

各健康セミナーの担当講師と概要

企業の犬種室での姿勢改善セミナー

企業向けの健康セミナーには、さまざまなテーマがありますが、弊社ではニーズの高い、食生活改善/睡眠改善/姿勢・歩き方改善/がんの予防・早期発見、治療と仕事の両立、のカテゴリーで、複数テーマのセミナーを提供しています。

H3.①食生活・栄養改善

① 食生活改善

病院での食事改善指導の経験が豊富で、多くの企業からリピートがかかる管理栄養士が担当し、食生活が乱れやすい若手社員や営業社員などでも取り組みやすい改善方法をお伝えします。コンビニ食などをNGとするのではなく、食べてOKだけれど意識するとよいポイントなど、受け入れていただきやすい内容が特徴です。
全ての方に共通する内容のほか、お酒を飲む機会が多い営業社員向け、仕事で夕食時間が遅くなりやすい方向け、など、それぞれの会社の課題に合わせた、多くのテーマをご提供可能です。

② 睡眠改善(睡眠の質向上)

元製薬会社で睡眠関連の薬のMRで、現在医療機関の睡眠外来で患者さんへのアドバイスも行っている睡眠インストラクターの資格を持った講師が担当。
快眠のための生活習慣や睡眠と生産性の関係、寝る前のリラックス法などについて、医学的なエビデンスがしっかりある正しい情報をお伝えしています。

肩こり腰痛対策・姿勢と歩き方改善

理学療法士として医療機関で患者さんの改善指導を行うとともに、ウォーキング講師・ヨガ講師と多彩な顔を持つ講師が担当。
デスクワークが中心の従業員に向けた肩こり・姿勢改善方法や、製造業の安全衛生大会で工場勤務の方に向けた腰痛対策などの情報提供も行っています。歩き方を気にする方も多く、ウォーキング講座も人気です。

がんの予防・早期発見/仕事と治療の両立

がん治療を開発する企業で長年勤務し、家族の闘病も経験したため、がん治療や仕事との両立に詳しい講師が担当します。
定年延長が進む中で、就労中にがんに罹患するケースも増えており、がん患者の3人に1人は就労世代です。がん予防を切り口とした「禁煙推進」セミナーも好評です。
また、「治療と仕事の両立支援」は、労働施策総合推進法の改正により、2026年4月1日から事業主(企業)の努力義務として位置づけられることとなりました。ここでも、研修やセミナーによる「啓発」が求められています。

まとめ

  • ■ 健康セミナーは、従業員の健康意識とヘルスリテラシーを高め、自走できる従業員をつくる。
  • ■ 健康セミナーは健康経営優良法人に認定要件にもなり、全従業員へ展開しやすいというメリットがある。
  • ■ 健康セミナーの開催形式はオンライン形式と対面形式があり、また研修・ワークショップ形式も検討できる。それぞれのメリットがある。
  • ■ 開催時間は、知識提供型のセミナーの場合1回30〜60分(質疑応答含む)程度、体験型や研修・ワークショップ形式の場合はより長い時間が必要。
  • ■ セミナーの質は講師によって大きく左右される。講師の専門性はもちろんのこと、伝える力(デリバリー力)が選定のポイント。

健康セミナーの導入は、従業員の健康を守り、企業を成長させるための投資です。ぜひ自社に最適な健康セミナーを見つけてください。

参考文献

この記事を書いた人

笠井 篤

株式会社うぇるなす代表取締役/健康経営アドバイザー・両立支援コーディネーター

人材業界(採用支援)を経て、IT企業の人事職に。その後、医療系上場企業に転職し、8年間人事を担当した後に、患者向けマーケティング・プロモーションを担当。 全国のがん専門医の先生方の協力を得ながら治療や療養生活に関する情報発信や、WEBマーケティングに従事する。その最中に家族ががんになり、闘病を経験。
患者やその家族、一般の人が正しく質の高い医療情報にアクセスできることの大切さや、また働く人の病気予防、治療と仕事を両立できることの意義を体験から痛感し、うぇるなすを設立。医療・ヘルスケア・製薬分野に特化したマーケティング支援と企業の健康経営の取り組みを支援している。

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